Vol.66 ジェラール・ミュロのサロン・ド・テ

 

 今年もショコラ・プレゼントの案内が届いた。その手紙を持って区役所に向かう。サン・シュリピス教会前にある6区の区役所、ショコラと張り紙のある部屋に入る。長テーブルの上に長方形のパッケージが積まれ、その奥に品の良いマダムが二人並んで座っていた。手紙を渡し身分証明書を見せると「クリスマスおめでとう」の言葉とショコラの箱を。

 

 家に持ち帰り蓋を開けると中にパリ市長のメッセージと45個のショコラ詰め合わせが。ドゥ・マルリウ、創業1906年、110年続いた老舗ショコラティエである。何とも素敵なプレゼント、家族で美味しく頂いた。

 

 サン・ジェルマン大通りを飾るイルミネーションがブルーに輝いている。2013年も残り僅か、今年もクリスマス市が教会横に出揃た。寒い夜にもかかわらず賑わいを見せている。通りにヴァン・ショー(ホット・ワイン)の甘い香と売り子の呼び込む声が流れる。

 クリスマス商戦も最盛期を迎え、各ブティックの華麗な飾りが人々の購買意識をかき立てている。誘われるように次々と吸い寄せられていく人々の動きも軽やかだ。週末ともなればその賑わいにいっそうの拍車がかかる。

   

 ギャラリー・ラ・ファイエットとオゥ・プランタンのクリスマス飾りを見物に出かけてみた。去年のクリスマスにギャラリー・ラ・ファイエットはルイ・ヴィトン協賛でディスプレーを組み立てた。大人の客を狙った企画、豪華で素晴らしいショー・ウインドーを作り上げたが、子供たちには今ひとつ物足りなく不評であったらしい。デパートのクリスマス・ディスプレーと言えば子供たちの夢、長い歴史がある。今年はその原点に帰ってスヲッチが時計をテーマに子供向け夢の世界を作り出している。子供を連れた家族、孫と一緒のお年寄りと大勢の見物客で賑わっていた。オゥ・プランタンではプラダがメインだが、しっかりと子供向けの企画も取り入れている。

   
 
   

 左岸を代表するボン・マルシェのディスプレーは今年も高級感を面前に洒落たウインドーを作った。シンプルだがスマート、前者の両デパートに比べひと味違う演出だ。高級デパートに拘る姿勢がこのひとつにも現れている。

 ここの食品館も大改装を終え、パリ一番のおしゃれな食品コーナーとなった。高級品満載、多彩な品揃えの見事さ、食品別コーナー展開の巧みさなど。お客のニーズに充分に答えている。カウンター式のイート・インも増え、目の前で作るおしゃれで美味な料理が気軽に頂ける。買い物の合間にワイン・グラスを傾けながら寛ぐ客の姿が何ともおしゃれに見える。

 

 クリスマス・ケーキが店頭に出始めるのは20日過ぎだが、そのピークはイヴの朝から。
人気の店、有名店などは12月15日頃からサンプル用のケーキを店頭に並べる。それに合わせるように予約が始まる。ピエール・エルメなどは12月の初めにブッシュ・ド・ノエルをショー・ウインドーに展示した。ボン・マルシェのお菓子コーナーにも早々と登場、クリスマス気分を盛り上げている。

 

   

 イヴ目前のある日、パリの有名パティスリー、ショコラティエ見物に出かける。先ずはパリを代表する食品店フォション、エディアルから第一歩を。右岸でもこの界隈は商業の中心地、想像以上の人の集まりだ。クリスマス・バカンスも始まり外国からの観光客が大勢入店している。毎年競い合う両店だが、ディスプレーに関してはフォションの方が豪華で見応えがある。

   

 近くのラデュレ本店はクリスマス・ケーキの予約客で長い行列が出来ていた。24日店の前に設える特別受取所で引き取る仕組みらしい。ティ・サロンも満席、こちらも席待ち客の行列が出来ている。パトリック・ロジェーのパリ2号店はマドレーヌ寺院前にオープンして話題になったが売上も好調、マルキ・ドゥ・ラデュレ同様今年のクリスマス商戦を制したとの話も聞こえる。JP・エヴァン、ミッシェル・クルーゼ、ストーレルを廻り、左岸に移動。ミュロ、ドゥボーブ&ガレ、ピエール・エルメなど駆け足で回ったが、まだまだ店は沢山、結局一日では制覇できなかった。ひたすら目で楽しむだけの店回りだが、一応の満足、次の機会を楽しみに打ち上げとする。結果は写真でご覧ください。

   
 
   

 ジェラール・ミュロのサロン・ド・テがオープンした。本店はセーヌ通りとロビノー通りの交差する所にあるが、ここからオデオン方向へと向かうクァトル・ヴェント通りにある。本店と同じ並びで歩いて1分足らずの距離だ。

   

 通りに面したガラス張りの外から店全体が見渡せる。明るくモダンな店内に丸いテーブルが11個、床の色に合わせたようにピンクとパープルを上手く使った長椅子、テーブルを挟んでオフホワイトの椅子を配してある。ゆったりとした空間、洒落た店作りだ。入り口横にショーケースがあり、その中に美味しそうなお菓子が並べてある。客席の奥にレジ用のカウンター、更にその奥が厨房になっている。
 
 店のオープンが11月と出来立てほやほやの店である。初めて訪れた時カフェ・エスプレソを注文した。上質のコーヒー豆を使いひと味違う風味に、香り、苦味、コク共に私好みの味である。小皿にショコラのサービスが、マネージャーの洒落た気遣いが嬉しい。値段は2.80ユーロ、界隈にあるカフェの値段とほぼ同じである。ちなみにカフェ・オゥ・レ3.50、ショコラ4.90、ジュース類が4.60ユーロである。
 
 軽い食事も出来る。クローク・ムッシュが10.30、キッシュは3種類あり、いずれも7.80、
ミュロのキッシュと言えば惣菜部門で一番の人気、評価も高い。お奨めのチーズたっぷりのオムレツが9.80ユーロ、いずれもリズナーブルだ。もともと女性の支持者が多いことで知られるミュロ店だが、ここも女性客が多い。メトロ・オデオンやマビヨン駅からも近く、お奨めの新しいサロン・ド・テである。